PS5冷却ファン取り外しガイド!掃除と交換で静音化
PS5から聞こえる「ブーン」というファンの音、気になりませんか?もしかしたら、その原因は内部に溜まったホコリかもしれません。この記事では、PS5の冷却ファンを安全に取り外して掃除する手順から、より静かな環境を求める方向けのファン交換ガイドまで、詳しく解説します。分解作業にはリスクも伴いますが、正しい知識と手順を知ることで、愛用のPS5を最適な状態に保つことができます。作業を始める前に、まずはこの記事で注意点や必要な道具について確認していきましょう。
- PS5のファンがうるさい原因と異音の種類が分かる
- 分解に伴う保証への影響やリスクを事前に理解できる
- 安全な冷却ファンの取り外しと掃除の具体的な手順が学べる
- ファン交換による静音化の方法と互換性について知ることができる
PS5冷却ファン取り外しの前に知るべき注意点
- なぜPS5ファンはうるさいのか?
- ファンから聞こえるPS5の異音の原因
- PS5のホコリが故障につながる可能性
- PS5を分解すると保証はどうなる?
- 作業前に知っておきたいPS5分解のリスク
なぜPS5ファンはうるさいのか?
PS5の冷却ファンがうるさく感じる主な原因は、本体内部の熱を効率的に排出するためにファンが高速で回転するからです。 特にグラフィックの要求が高いゲームを長時間プレイすると、本体温度が上昇し、ファンは冷却性能を最大限に発揮しようとします。
ただ、それ以外にもいくつかの要因が考えられます。
ホコリの蓄積
最も一般的な原因の一つが、内部へのホコリの蓄積です。PS5は空気を取り込んで内部を冷却する設計のため、室内のホコリを一緒に吸い込んでしまいます。このホコリが吸気口や排気口、そして冷却ファン自体に付着すると、空気の流れが阻害されてしまいます。 その結果、冷却効率が低下し、設定温度まで本体を下げるためにより一層ファンを高速回転させる必要が出てきて、騒音が大きくなるのです。
ファンの個体差(ロットによる違い)
実は、PS5に搭載されている冷却ファンは一種類だけではありません。製造時期やモデルによって、複数のメーカー製のファンが採用されています。 例えば、羽根の枚数や形状が異なるファンが存在し、これらの設計の違いによって動作音に差が出ることが報告されています。 そのため、「他の人のPS5よりもうるさい気がする」と感じる場合、それはファンの個体差が原因である可能性も否定できません。
補足:コイル鳴きについて
「ジー」という高い音が聞こえる場合、それは「コイル鳴き」と呼ばれる現象かもしれません。 これはファン本体ではなく、電源ユニットなどの電子部品から発生する高周波音です。コイル鳴きは故障ではありませんが、気になる場合は専門家への相談を検討するのも一つの手です。
ファンから聞こえるPS5の異音の原因
PS5から聞こえる「ブーン」という通常のファン回転音とは別に、「カラカラ」「ジー」といった異音が聞こえる場合があります。これらの音は、何らかのトラブルのサインである可能性があり、原因を特定することが重要です。
ここでは、代表的な異音とその原因について解説します。
「カラカラ」という異音
「カラカラ」という乾いた音が聞こえる場合、ファン内部に異物が混入している可能性が考えられます。例えば、剥がれたラベルの破片や、内部で脱落した小さなプラスチック片などがファンの羽根に接触しているのかもしれません。また、長期間の使用によりファンの軸がずれてしまい、羽根が周辺のパーツに接触して音を立てているケースもあります。
「ジー」「ブーン」という低周波の異音
継続的に「ジー」や「ブーン」といった低い音が聞こえる場合、いくつかの原因が考えられます。一つは、ホコリが大量に蓄積し、ファンの回転バランスが崩れている状態です。 バランスが崩れたまま高速回転することで、振動が発生し、異音として聞こえることがあります。もう一つは「コイル鳴き」と呼ばれる現象で、これは前述の通り、ファンではなく電源コイルなどの電子部品が振動して発生する高周波音です。 これは故障ではありませんが、製品の仕様によるものが多いとされています。
異音が続く場合は要注意
もし異音が掃除をしても改善されない、あるいはどんどん大きくなるような場合は、ファン自体の故障や他の内部パーツの問題も考えられます。無理に使い続けると、さらなる故障につながる恐れがあるため、専門の修理業者に相談することをおすすめします。
PS5のホコリが故障につながる可能性
「少し音がうるさいくらいなら大丈夫」と、ホコリの問題を軽視してはいけません。PS5内部に蓄積したホコリは、単なる騒音の原因に留まらず、重大な故障を引き起こす可能性があります。
PS5のような高性能なゲーム機は、処理のために多くの熱を発生させます。この熱を効率的に排出できない状態が続くと、「熱暴走」と呼ばれる現象を引き起こしかねません。ホコリがヒートシンク(放熱板)や通風孔を塞いでしまうと、内部に熱がこもり、CPUやGPUなどの精密な電子部品に深刻なダメージを与えてしまうのです。
具体的には、以下のようなリスクが考えられます。
- パフォーマンスの低下: 本体が高温になると、故障を防ぐために自動的に処理性能を落とす機能が働くことがあります。これにより、ゲーム中にフレームレートが低下したり、動作が不安定になったりします。
- 突然のシャットダウン: 危険な温度に達すると、本体を保護するために強制的に電源が落ちることがあります。
- 部品の寿命を縮める: 高温状態が続くことは、内部の電子部品の劣化を早めます。コンデンサの膨張や半導体の故障など、最終的には起動しなくなるような致命的な故障につながる恐れがあります。
このように考えると、定期的なホコリの掃除は、PS5を長く快適に使い続けるために非常に重要なメンテナンスと言えます。面倒に感じるかもしれませんが、故障してからでは手遅れです。大切なPS5を守るためにも、内部クリーニングの習慣をつけましょう。
PS5を分解すると保証はどうなる?
PS5の冷却ファンを取り外す前に、最も気になる点の一つがメーカー保証についてでしょう。結論から言うと、ユーザー自身がPS5を分解した場合、原則としてメーカーの保証対象外となる可能性が非常に高いです。
多くの電子機器と同様に、PS5にも「封印シール(分解防止シール)」と呼ばれるものが貼られている箇所があります。 このシールを剥がしたり、傷つけたりすると、「ユーザーが製品を分解した」と見なされ、保証期間内であっても無償修理を受けられなくなります。
【重要】ソニーの公式見解について
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式なアフターサービス規定では、「不当な修理/分解/改造が行われた痕跡がある場合」は修理を断る場合があると明記されています。 冷却ファンの取り外しは、この「分解」行為にあたると判断される可能性が高いです。最近では、ファンを取り外すだけでも保証対象外になるとのアナウンスがあったという情報もあります。
ただ、カバーを外して掃除機でホコリを吸い取る「ダストキャッチャー」の清掃など、メーカーが想定している範囲のメンテナンスであれば保証には影響しません。 しかし、ドライバーを使ってネジを外し、内部パーツである冷却ファンを取り外す行為は、この範囲を逸脱します。
もしPS5がまだ保証期間内である場合は、分解する前に一度立ち止まって考えることが重要です。万が一、分解作業中に他のパーツを破損させてしまった場合、その修理は全て有償となり、高額な費用がかかる可能性があります。
作業前に知っておきたいPS5分解のリスク
メーカー保証が失効する可能性以外にも、PS5の分解作業にはいくつかの物理的なリスクが伴います。これらのリスクを十分に理解し、対策を講じた上で作業に臨むことが、失敗を避けるための鍵となります。
主に、以下のようなリスクが考えられます。
1. パーツの破損
PS5の内部は、非常に繊細なパーツで構成されています。特に、ファンと基板をつなぐケーブルやコネクタは非常にデリケートです。力を入れすぎたり、誤った方向に引っ張ったりすると、簡単に断線したり、コネクタの爪が折れたりする可能性があります。 また、ネジを締めすぎることでネジ穴を潰してしまう(いわゆる「ネジをなめる」)こともあります。
2. 静電気による電子部品の故障
私たちの身体に帯びている静電気は、人間にとっては些細なものでも、PS5内部の精密な電子部品にとっては致命的なダメージを与えることがあります。特に乾燥した季節は静電気が発生しやすいため、対策なしで基板などに触れると、目に見えない静電気放電(ESD)によって半導体が破壊され、PS5が起動しなくなるといった深刻な事態を招きかねません。
3. 組み立てミスによる不具合
分解したパーツを元の通りに組み立てられなかった場合、様々な不具合が発生する可能性があります。例えば、ネジの締め忘れによるガタつきや異音の発生、ケーブルの接続忘れによるファンの不回転などが考えられます。最悪の場合、ショートしてしまい、完全に故障してしまうリスクもあります。
リスクを低減するための準備
これらのリスクを最小限に抑えるためには、作業前に静電気防止手袋を着用する、取り外したネジを場所ごとに整理しておく、分解手順を動画などで繰り返し確認するといった準備が非常に重要です。全ての作業は「自己責任」で行うということを、強く認識しておきましょう。
安全なPS5冷却ファン取り外しの手順
- 準備必須のPS5 T8ドライバーとは
- PS5ファンを掃除する具体的なステップ
- 静音化のためのPS5ファン交換ガイド
- 失敗しないPS5冷却ファンの互換性
- まとめ:PS5冷却ファン取り外しは自己責任で
準備必須のPS5 T8ドライバーとは
PS5の冷却ファンを取り外すためには、特殊なドライバーが必要になります。それが、T8サイズのトルクスドライバーです。
トルクスネジは、ネジ頭が星型の形状をしているのが特徴で、一般的なプラスドライバーやマイナスドライバーでは回すことができません。 この形状により、ネジとドライバーがしっかりとかみ合い、より強い力で締めたり緩めたりできる(トルク伝達効率が高い)というメリットがあります。
PS5の冷却ファンは、このトルクスネジで4箇所固定されています。 そのため、ファンの取り外しや交換を行う際には、このT8トルクスドライバーが必須アイテムとなります。
「いじり止め」に対応したドライバーを選ぼう
トルクスネジの中には、中央に突起がある「いじり止め付き」と呼ばれるタイプがあります。PS5のネジもこのタイプである可能性が高いため、ドライバーを選ぶ際は、先端の中央に穴が開いている「いじり止め対応」のT8トルクスドライバーを選ぶようにしましょう。 これを間違えると、ネジを回すことができず作業が進められません。
T8トルクスドライバーは、ホームセンターや家電量販店の工具コーナー、オンラインストアなどで購入できます。 精密ドライバーセットに含まれていることも多いので、他の作業でも使う可能性がある方はセット品を選ぶのも良いでしょう。
PS5ファンを掃除する具体的なステップ
必要な道具が揃ったら、いよいよPS5の冷却ファンを取り外して掃除を行います。焦らず、一つ一つの手順を丁寧に行うことが成功の秘訣です。ここでは、具体的なステップを解説していきます。
ステップ1:準備と本体カバーの取り外し
まず、PS5の電源を完全にシャットダウンし、電源ケーブルやHDMIケーブルなど、接続されている全てのケーブル類を抜いてください。 その後、作業中に静電気が発生しないよう、金属製のドアノブなどに触れて体内の電気を逃しておきましょう。
次に、本体カバーを取り外します。PS5を横置きにし、ディスクドライブがない方のカバーを上にします。カバーの角を少し持ち上げるようにしながら、反対側の角の方向へスライドさせると「カチッ」という音と共に外れます。
ステップ2:ファンカバーとネジの取り外し
本体カバーを外すと、大きな黒い冷却ファンが見えます。このファンは、まず黒いプラスチックのカバーで覆われています。このカバーを慎重に取り外してください。すると、ファン本体を固定している4本のネジが見えます。
ここで、準備したT8トルクスドライバーを使って、4本のネジを反時計回りに回して緩め、全て取り外します。この時、ネジはそれぞれ長さが異なる場合があるため、どの場所のネジかを覚えておけるように、外した位置の通りに並べておくと良いでしょう。
ステップ3:ファンコネクタの取り外しとファンの清掃
ネジを外しても、ファンはまだ電源ケーブルで本体と繋がっています。このケーブルの接続部分(コネクタ)を慎重に引き抜きます。コネクタは非常に小さくデリケートなので、マイナスドライバーなどを使い、てこの原理で優しく持ち上げるようにして外しましょう。 無理にケーブルを引っ張ると断線する恐れがあるため、絶対にやめてください。
ファンを完全に取り外せたら、エアダスターを使って羽根やモーター部分に付着したホコリを吹き飛ばします。 届きにくい細かい部分は、柔らかいブラシや綿棒を使って優しく掃除しましょう。掃除機で吸い取るのも効果的です。
掃除が終わったら、これまでの手順を逆に行い、ファンを元に戻します。コネクタの接続、ネジの締め付け、カバーの取り付けを確実に行い、作業は完了です。特にコネクタの接続忘れには注意してくださいね。
静音化のためのPS5ファン交換ガイド
ファンの掃除を行っても騒音が改善されない場合や、より高い静音性を求める場合は、冷却ファン自体を交換するという選択肢があります。PS5には製造時期によって複数の種類のファンが搭載されており、中には比較的静音性が高いとされるモデルも存在します。
ファン交換のメリット
最大のメリットは、動作音の低減です。特に、騒音の原因がファンの軸ブレやモーターの劣化であった場合、新しいファンに交換することで劇的に静かになる可能性があります。また、特定のモデル(例えば、羽根の枚数が多いファン)は、設計上、風切り音が少なく静かであると言われています。
ファン交換の手順
ファン交換の基本的な手順は、前述の「PS5ファンを掃除する具体的なステップ」とほぼ同じです。
- PS5の電源を切り、ケーブル類を全て抜く。
- 本体カバーを外す。
- ファンカバーと4本のT8トルクスネジを外す。
- ファンコネクタを慎重に抜いて、古いファンを取り出す。
- 新しい互換ファンを取り付け、コネクタを接続する。
- ネジでファンを固定し、ファンカバーと本体カバーを元に戻す。
交換作業で最も重要なのは、新しいファンを丁寧に取り扱い、コネクタを確実に接続することです。接続が甘いとファンが回転せず、オーバーヒートの原因となるため、しっかりと奥まで差し込まれていることを確認してください。
ファン交換は上級者向け作業
ファン交換は、掃除よりもさらにリスクの高い作業です。互換性のないファンを選んでしまったり、取り付け作業中に他のパーツを破損させてしまったりする可能性もゼロではありません。この記事で紹介する内容はあくまで情報提供であり、作業を推奨するものではありません。全ての作業は、保証が無くなることを理解した上で、自己責任にて行ってください。
失敗しないPS5冷却ファンの互換性
PS5の冷却ファンを交換しようと決めた際に、最も重要なのが「互換性のあるファン」を選ぶことです。PS5には、主に3つのメーカー(Nidec、Delta、NMBなど)によって製造された、複数の異なるモデルのファンが搭載されていることが確認されています。
これらのファンは、基本的なサイズや取り付けネジの位置は共通していますが、羽根の枚数(ブレード数)や形状、モーターの仕様が異なります。 例えば、17枚羽根のファンや23枚羽根のファンが存在し、一般的に羽根の枚数が多い方が静音性に優れていると言われることがあります。
自分のPS5のファンを確認する
失敗しないための最も確実な方法は、まず自分のPS5を一度分解し、現在搭載されているファンのモデル名や形状を確認することです。ファンの中央部分に貼られているラベルに、メーカー名や「G12L12MS1AH-56J14」(17枚羽根の例)や「12047GA-12M-WB-01」(23枚羽根の例)といったモデル番号が記載されています。
このモデル番号を元に、オンラインストアなどで同じ型番のファンや、互換性が明記されている製品を探すのが最も安全な方法です。
購入前に確認すべきポイント
- モデル番号の一致: 現在のファンと交換用ファンのモデル番号が一致しているか。
- コネクタの形状: 電源コネクタのピン数や形状が同じであるか。
- 販売元の信頼性: 実績のある販売元から購入し、レビューなどを参考にする。
安易に「PS5用」と書かれているだけの製品を選ぶと、いざ取り付けようとした際にコネクタの形状が違ったり、うまく収まらなかったりするトラブルに見舞われる可能性があります。面倒でも、事前の確認を徹底することが、無駄な出費と時間を防ぐことにつながります。
まとめ:PS5冷却ファン取り外しは自己責任で
- PS5のファン騒音の主な原因はホコリの蓄積による冷却効率の低下
- 異音は異物の混入やファンの不均衡が原因の可能性がある
- ユーザーによる分解はメーカー保証の対象外となる可能性が極めて高い
- 作業前には封印シールを剥がすと保証が無効になることを理解する
- 分解にはパーツ破損や静電気による故障のリスクが伴う
- ファン取り外しにはT8サイズのいじり止め対応トルクスドライバーが必須
- 作業は必ず電源を切り全てのケーブルを抜いた状態で行う
- 本体カバーは慎重にスライドさせて取り外す
- ファンのネジは長さが違うことがあるため場所を覚えておく
- 電源コネクタはデリケートなのでケーブルを引っ張らずに優しく外す
- 掃除にはエアダスターや柔らかいブラシが有効
- ファン交換は静音化に効果があるが、より高度な作業となる
- 交換用ファンは自分のPS5に搭載されているモデルを確認してから購入する
- 全ての分解、掃除、交換作業は自己責任で行う必要がある
– ホコリの放置は熱暴走やパフォーマンス低下、故障のリスクを高める