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制御盤の排熱!冷却ファン配置の向き・構造・12v吸排気・音対策

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冷却ファン配置で排熱対策!制御盤の構造や向きも解説

パソコンや電子機器の安定動作に欠かせない冷却ファン。その配置や仕組みについて、深く理解していますか?冷却ファンとは何か、その必要性から始まり、12v、5v、100v、200vといった電圧の違い、そしてコンセントの有無など、基本的な知識は意外と知られていません。特に制御盤で使われる大型や薄型、2連といった特殊なファンの選定は、専門知識が求められます。ファンの向き一つで吸気と排気の効率は大きく変わり、風の流れを意識した吸い込みと吐出しのバランスが、効果的な排熱の鍵を握るのです。さらに、羽根の構造や40mm、50mm、8cmといったサイズ規格、3ピンや4ピン(3線式、4線式)の端子による制御の違いもパフォーマンスに直結します。しかし、性能を追求すると気になるのがファンの音。その対策や安全な取り外し、定期的な掃除方法も知っておきたいポイントです。また、水冷式や吸引式、夏場に活躍する上着用ファンなど、様々な冷却方法が存在し、エアコンや冷暖ハイタワーファンとは異なる特性を持っています。この記事では、冷却ファンの各部の名称といった基礎から、最適な配置による排熱効果の最大化まで、あなたの疑問を一つひとつ解消していきます。

  • 冷却ファンの基本的な構造や電圧・サイズ規格がわかる
  • 吸気と排気を最適化するファンの向きと配置方法を学べる
  • ファンの騒音対策や正しいメンテナンス手順を理解できる
  • 水冷式など他の冷却方式との違いとそれぞれの特徴が明確になる
目次

冷却ファン配置の基本!構造・規格・電圧を解説

  • 冷却ファンとは?各部の名称と必要性
  • 羽根の構造と40mm, 50mm, 8cm等のサイズ規格
  • 12v, 5v, 100v, 200vとコンセントの違い
  • 3ピン・4ピンと3線式の端子構造
  • 制御盤で使う大型・薄型・2連ファン

冷却ファンとは?各部の名称と必要性

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冷却ファンは、電子機器や産業用機械の内部で発生する熱を外部に排出し、安定した動作を維持するために不可欠な部品です。特にCPUやGPU、電源ユニットなど、高温になりやすい部品の冷却に用いられます。熱がこもると、部品の性能低下や誤作動、最悪の場合は故障につながる「熱暴走」を引き起こす可能性があるため、その必要性は非常に高いと言えるでしょう。

冷却ファンの主要な構成部品

冷却ファンは、主に以下の部品から構成されています。

  • フレーム(ケーシング): ファン全体を支え、保護する外枠の部分です。
  • 羽根(ブレード/インペラ): 風を送り出すための主要部品で、形状や枚数によって風量や静圧の特性が変わります。
  • モーター: 羽根を回転させる動力源です。ACモーターやDCモーターなどの種類があります。
  • 軸受(ベアリング): モーターの回転軸を滑らかに支える部品で、ファンの寿命や静音性に大きく影響します。スリーブベアリングやボールベアリングなどがあります。

これらの部品が組み合わさることで、効率的な送風と冷却が実現されます。 例えば、パソコンケースに取り付けられたファンは、ケース内の熱い空気を外に排出し、同時に外部の冷たい空気を内部に取り込むことで、空気の循環(エアフロー)を生み出し、内部の温度を適切に保ちます。 このように、冷却ファンは電子機器のパフォーマンスと寿命を維持するための縁の下の力持ちなのです。

羽根の構造と40mm, 50mm, 8cm等のサイズ規格

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冷却ファンの性能を決定づける重要な要素の一つが、羽根(ブレード)の構造とサイズです。これらは風量や静圧(風を押し出す力)、そして動作音に直接影響を与えます。

羽根の構造による違い

ファンの羽根には、主に2つのタイプが存在します。

軸流ファン(プロペラファン):
最も一般的なタイプで、羽根の回転軸と同じ方向に空気が流れます。 比較的シンプルな構造で、大きな風量を得やすいのが特徴です。パソコンのケースファンやCPUクーラーなど、広い範囲の換気や冷却に適しています。

遠心ファン(ブロワファン/シロッコファン):
空気を吸い込み、遠心力を使って90度異なる方向へ強力に吹き出します。 風量は軸流ファンに劣りますが、静圧が高いため、部品が密集していて空気の通り道が狭い場所や、特定の箇所をピンポイントで冷却するのに向いています。

代表的なサイズ規格と用途

ファンのサイズは一辺の長さで表記され、大きくなるほど一度に多くの空気を動かせるため、低い回転数でも高い冷却効果が得られ、結果として静音性が高まる傾向にあります。

サイズ 主な用途 特徴
40mm 小型サーバー、ルーター、3Dプリンター、小型PCのチップセット冷却 コンパクトな機器の局所冷却に適している。高回転になりがちで、動作音は大きめな製品が多い。
50mm 小型PCケース、HDD冷却、一部のビデオカード 40mmよりは風量を確保しやすく、限られたスペースでの利用が見られる。
8cm (80mm) スリム型PCケース、少し前の標準的なPCケースの排気用 かつては標準的なサイズだったが、現在はより大型のファンが主流。特定の用途で今も使われる。
12cm (120mm) / 14cm (140mm) 現代のPCケース、CPUクーラー、水冷ラジエーター 現在の主流サイズ。高い冷却性能と静音性のバランスに優れる。

どのサイズを選ぶかは、設置する機器のスペースと必要な冷却性能によって決まります。小さなファンでも高回転で風量を稼ぐことは可能ですが、その分、騒音が大きくなるというデメリットも考慮する必要があります。

12v, 5v, 100v, 200vとコンセントの違い

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冷却ファンは、使用される電圧によって大きく二つのカテゴリに分けられます。それがDC(直流)ファンAC(交流)ファンです。電圧の違いは、ファンの用途や接続方法に大きく関わってきます。

DCファン(5V, 12V)

DCファンは、5V12Vといった低い直流電圧で動作します。パソコン内部のパーツやUSB接続の小型ファンなどがこれに該当します。

  • 特徴: 省電力で、回転数の制御が容易な点が大きなメリットです。特に後述するPWM制御に対応したファンは、温度に応じてきめ細かく回転数を調整でき、静音性と冷却性能の両立が可能です。
  • 電源: パソコンのマザーボード上の専用コネクタや、電源ユニットから直接電力を供給されます。コンセントに直接差し込むことはできません。

ACファン(100V, 200V)

ACファンは、家庭用や業務用のコンセントから供給される100V200Vの交流電圧で動作します。 主に産業機械や大型のサーバーラック、制御盤などで使用されます。

  • 特徴: パワフルで安定した送風能力を持ち、長時間の連続運転にも耐える高い耐久性を備えています。
  • 電源: プラグを直接コンセントに差し込んで使用するタイプが一般的です。電圧が国や地域によって異なるため、例えば日本国内向けの100Vファンを200V電源の国で使用することはできません。

電圧の確認は必須!

ファンを選ぶ際や交換する際には、必ず対応電圧を確認してください。異なる電圧を供給すると、ファンが正常に動作しないだけでなく、故障や事故の原因となる可能性があります。

このように、DCファンとACファンは電圧だけでなく、主に使用される場所や電源の取り方が根本的に異なります。パソコンの冷却を考えるならDCファン、工場の設備や大型機器の排熱を考えるならACファン、というように用途に応じて適切に選択することが重要です。

3ピン・4ピンと3線式の端子構造

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DCファン、特にパソコン用ファンを選ぶ際に重要なのが、コネクタのピン数です。主に3ピン4ピンの2種類があり、これはファンの制御方法に大きな違いをもたらします。

3ピン(3線式)コネクタの構造と機能

3ピンコネクタは、以下の3本の線で構成されています。

  1. 電源(+12V): ファンに電力を供給します。
  2. GND(グランド): 接地線です。
  3. パルスセンサー(回転数検知): ファンの回転数をマザーボードに伝えるための信号線です。

3ピンファンは、回転数を監視することはできますが、回転数を能動的に制御する機能は持っていません。回転数を変えるには、マザーボード側で供給する電圧を変化させる「電圧制御」方式を用いますが、制御の幅は狭く、精度も高くありません。

4ピン(4線式)コネクタとPWM制御

4ピンコネクタは、3ピンの機能に加えて4本目の線が追加されています。

  1. 電源(+12V)
  2. GND(グランド)
  3. パルスセンサー(回転数検知)
  4. PWM制御信号: ファンの回転速度を制御するための専用信号線です。

この4本目のピンがPWM(Pulse Width Modulation)制御を可能にします。 PWM制御とは、電気のON/OFFを高速で切り替えることで、ファンに供給される実質的な電力を調整し、モーターの回転数を精密にコントロールする技術です。

PWM制御のメリット

PWM制御に対応した4ピンファンには、以下のような大きなメリットがあります。

  • 高精度な回転数制御: CPU温度などに連動して、ファンの回転数を非常に細かく、かつ広範囲に調整できます。
  • 静音性の向上: 負荷が低い時は回転数を最小限に抑えることで、不要な騒音の発生を防ぎます。
  • 効率的な冷却: 高負荷時には回転数を最大にして、強力な冷却性能を発揮します。

現在ではCPUファンを中心に、多くのケースファンで4ピンPWM対応が主流となっています。静音性と冷却性能を両立させたい場合は、4ピンPWM対応のファンを選ぶことが強く推奨されます。

制御盤で使う大型・薄型・2連ファン

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工場の生産ラインや施設のインフラを支える制御盤は、内部にインバーターやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)、電源ユニットといった多くの電子機器が密集しています。これらの機器は動作中に熱を発生させるため、内部が高温になると誤作動や故障、寿命の低下を招く恐れがあります。そのため、制御盤内部の温度を適切に管理するための冷却ファンは極めて重要な役割を担っています。

制御盤用ファンの特徴

制御盤で使用されるファンは、一般的なパソコン用ファンとは異なり、より過酷な環境での使用を想定した設計がされています。

  • 高い耐久性と信頼性: 24時間365日の連続稼働が求められるため、長寿命で故障しにくいボールベアリングを採用した製品が主流です。
  • 耐環境性能: 工場などの環境に合わせて、防塵・防滴・耐油性能を備えたモデルも多く存在します。
  • AC電源対応: 制御盤の電源環境に合わせて、AC100VやAC200Vで動作するACファンが多く用いられます。

多様な形状と用途

設置スペースや必要な冷却能力に応じて、様々なタイプのファンが使い分けられます。

大型ファン:
盤全体の熱を効率良く排出するために、盤の上部や側面に取り付けられます。大きな風量で、盤内部に強力な空気の流れを作り出します。

薄型ファン:
盤内部のスペースが限られている場合や、特定の機器のすぐ近くに設置したい場合に使用されます。 スリムな設計でありながら、十分な冷却能力を発揮します。

2連ファン(二重反転ファン):
2つのファンを直列に配置し、互いの羽根を逆方向に回転させることで、非常に高い静圧(風を押し出す力)を生み出すファンです。 フィルターや高密度に実装された部品など、空気の抵抗が大きい場所でも力強く風を送り込むことができ、局所的な強制冷却に効果を発揮します。

制御盤の安定稼働は、生産設備全体の安定に直結します。そのため、内部の熱環境を正確に把握し、盤のサイズや内部機器の発熱量に合わせて、最適なファンを選定・配置することが、トラブルを未然に防ぐ上で非常に大切なのです。

最適な冷却ファン配置!吸排気から掃除方法まで

  • 吸気と排気を決めるファンの向き
  • 吸い込みと吐き出しによる効率的な排熱
  • 気になるファンの音対策と安全な取り外し
  • 定期的なメンテナンスと掃除方法
  • 水冷式・吸引式・上着用ファンとエアコンの違い
  • まとめ:冷暖ハイタワーファンと違う冷却ファン配置

吸気と排気を決めるファンの向き

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冷却ファンの効果を最大限に引き出すためには、正しい向きに設置することが何よりも重要です。ファンには空気を吸い込む側と吐き出す側があり、これを間違えると意図した空気の流れ(エアフロー)が作れず、冷却効率が著しく低下してしまいます。

ファンの向きを確認する4つの方法

ファンの風がどちらに流れるかは、いくつかの方法で簡単に見分けることができます。

  1. 側面の矢印を確認する: 多くのファンには、フレームの側面に2種類の矢印が刻印されています。一つは羽根の回転方向を示し、もう一つは風の流れの方向を示しています。この風向きの矢印が指す方向が、排気側となります。
  2. ラベルの位置を確認する: 一般的に、メーカーのロゴや仕様が書かれたラベルが貼られている面が排気側です。つまり、ラベルが見えるように設置すると、手前に風が吹き出してきます。
  3. ファンブレードのデザインで判断する: 羽根が湾曲している面、つまり羽根の凹んでいる側が吸気側、膨らんでいる側が排気側となります。
  4. 実際に動かして確認する: ティッシュペーパーなどをファンの近くにかざしてみるのが最も確実です。ティッシュが吸い寄せられる側が吸気、押し出される側が排気です。

エアフローの基本原則

パソコンケースなど、箱型の装置を効率的に冷却するためのエアフローには基本原則があります。それは、「冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に昇る」という自然対流の性質を利用することです。 これに従い、

  • 吸気(冷たい空気を取り込む): ケースの前面や底面
  • 排気(熱い空気を排出する): ケースの背面や天面

にファンを配置するのが最も効率的とされています。 この「前から吸って、後ろと上から出す」という流れを意識するだけで、冷却性能は大きく改善します。

このように、ファンの向きは冷却性能を左右する基本的な要素です。新しいファンを取り付ける際や、PCのメンテナンスを行う際には、必ず意図した通りの向きになっているかを確認しましょう。

吸い込みと吐き出しによる効率的な排熱

前述の通り、冷却ファンは吸気(吸い込み)と排気(吐き出し)を適切に配置することで、効率的な空気の流れであるエアフローを構築します。このエアフローを考える上で重要な概念が、ケース内部の気圧を調整する「正圧」「負圧」です。

正圧(ポジティブプレッシャー)

吸気ファンの総風量が、排気ファンの総風量を上回る状態を「正圧」と呼びます。 ケース内部の気圧が外気圧よりも高くなるため、内部の空気はファンのないメッシュ部分や隙間からも外へ押し出されようとします。

  • メリット: ホコリの侵入を防ぎやすいという大きな利点があります。 吸気ファンにフィルターを付けておけば、意図しない隙間からホコリが入り込むのを大幅に減らせるため、PC内部をクリーンに保ちやすくなります。
  • デメリット: 排気が追いつかない場合、ケース内に熱が若干こもりやすくなる可能性があります。

負圧(ネガティブプレッシャー)

排気ファンの総風量が、吸気ファンの総風量を上回る状態を「負圧」と呼びます。 ケース内部の気圧が外気圧よりも低くなるため、ファンのない隙間からも外部の空気を自然に吸い込もうとします。

  • メリット: ケース内の熱を強力に排出するため、冷却性能は正圧よりも高くなる傾向があります。 より多くの新鮮な冷たい空気が内部に取り込まれやすくなります。
  • デメリット: フィルターのないあらゆる隙間からホコリを吸い込んでしまうため、内部にホコリが溜まりやすくなります。

私であれば、長期的なメンテナンス性を考慮して正圧構成をおすすめします。最近のPCケースはエアフローがよく考えられているため、正圧でも十分な冷却性能を確保できます。なにより、内部のホコリが減ることで、掃除の手間が省け、部品の劣化も防げるからです。

どちらの構成が良いかは一概には言えませんが、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分のPC環境やメンテナンスの頻度に合わせてバランスを考えることが、最適な排熱環境を構築する鍵となります。

気になるファンの音対策と安全な取り外し

パソコンや電子機器を快適に使用する上で、冷却性能と並んで重要なのが静音性です。ファンの回転によって発生する騒音は、集中力の妨げになったり、ストレスの原因になったりします。ここでは、ファンの音の原因と対策、そして安全な取り外し方について解説します。

ファンの騒音、主な3つの原因

  1. 風切り音: ファンの羽根が空気を切ることで発生する「ブーン」「フォー」という音です。ファンの回転数が高くなるほど、また風量が大きくなるほど、この音は大きくなります。
  2. 軸受(ベアリング)の劣化: 長期間の使用により、ファンの回転を支える軸受が摩耗したり、潤滑油が切れたりすると、「カラカラ」「ジージー」といった異音が発生する原因になります。
  3. 共振・接触: ファン自体の振動がPCケースなどに伝わって「ブーン」という低い唸り音(共振)を発生させたり、ケース内のケーブルがファンの羽根に接触して「カタカタ」「チリチリ」という音を立てたりすることもあります。

今日からできる騒音対策

ファンの音が気になり始めたら、以下の対策を試してみてください。

  • PWM制御の活用: 前述の通り、4ピンPWM対応ファンであれば、BIOS/UEFI設定や専用ソフトウェアで回転数を細かく制御できます。 PCの負荷が低いアイドル時には回転数を下げる設定にすることで、大幅な静音化が期待できます。
  • 静音ファンへの交換: 流体力学に基づいて設計された羽根や、高品質な軸受を採用した静音モデルのファンに交換するのも効果的です。
  • 防振ゴムの取り付け: ファンとケースの間に防振ゴム製のワッシャーやブッシュを挟むことで、ファンからケースへの振動伝達を抑え、共振音を低減できます。
  • 定期的な掃除: ホコリが溜まるとファンのバランスが崩れ、異音の原因になります。定期的な清掃は静音化にも繋がります。

安全なファンの取り外し手順

ファンの掃除や交換を行う際は、以下の手順で安全に作業を進めましょう。

  1. 完全にシャットダウン: まずはPCの電源を完全に切り、電源ケーブルをコンセントから抜きます。
  2. 身体の静電気を放電: 作業前に、水道の蛇口など金属製のものに触れて、身体に溜まった静電気を逃がします。静電気はPCパーツの故障原因となるため、重要な工程です。
  3. コネクタを抜く: ファンに繋がっている電源コネクタをマザーボードやコントローラーから慎重に抜きます。
  4. 固定ネジを外す: ファンをケースに固定しているネジをドライバーで外します。対角線上のネジを少しずつ緩めていくと、パーツへの負担が少なくなります。

作業中は、マザーボードなどの基板にドライバーの先を当てて傷つけたり、ネジを落としてショートの原因を作ったりしないよう、細心の注意を払ってください。

定期的なメンテナンスと掃除方法

冷却ファンは、電子機器の安定動作を支える重要なパーツですが、その性能を維持するためには定期的なメンテナンス、特に掃除が不可欠です。空気を取り込むという性質上、ファンやその周辺にはホコリが非常に溜まりやすく、これが様々なトラブルの原因となります。

ホコリが引き起こす問題点

  • 冷却性能の低下: ファンの羽根や吸気口、そして冷却フィン(ヒートシンク)にホコリが溜まると、空気の流れが妨げられます。これにより冷却効率が著しく低下し、結果的に内部温度が上昇してしまいます。
  • 騒音の増大: 羽根に付着したホコリは、回転のバランスを崩し、振動や異音の原因となります。
  • 故障のリスク: ホコリは湿気を吸いやすく、電子回路のショートを引き起こす可能性があります。また、モーターの軸受にホコリが入り込むと、回転が阻害され、ファンの寿命を縮める原因にもなります。

掃除の頻度はどれくらい?

理想的な掃除の頻度は、3ヶ月から半年に1回程度です。 ただし、ペットを飼っているご家庭や、喫煙される環境、ホコリっぽい部屋などでは、より短い間隔でのメンテナンスが推奨されます。

基本的な掃除の手順と道具

安全かつ効果的に掃除を行うために、以下の道具を準備し、正しい手順で進めましょう。

準備する道具
  • エアダスター: 圧縮空気でホコリを吹き飛ばすスプレー。細かい部分の掃除に必須です。
  • ブラシ: 静電気防止加工されたものが望ましい。こびりついたホコリを掻き出すのに使います。
  • 掃除機: 吹き飛ばしたホコリを吸い取るために使用します。
  • マスク: ホコリを吸い込まないように着用しましょう。
掃除の手順
  1. 電源を切り、ケーブルを抜く: 前述の通り、安全のために必ず電源を完全にオフにします。
  2. ケースを開け、大きなホコリを除去: ケースを開け、目立つ大きなホコリの塊を掃除機で吸い取ります。この時、ノズルを基板などに直接当てないよう注意してください。
  3. エアダスターで吹き飛ばす: ファンやヒートシンク、基板の隙間など、細かい部分のホコリをエアダスターで吹き飛ばします。ファンを吹き飛ばす際は、羽根が高速回転しないように指や割り箸などで固定するのがポイントです。
  4. ブラシで仕上げる: エアダスターで取り切れなかった、こびりついたホコリをブラシで優しく掻き出します。
  5. 全体のホコリを吸い取る: 最後に、ケース内に舞ったホコリを再度掃除機で吸い取り、ケースを閉じます。

こうした地道なメンテナンスが、お使いの機器のパフォーマンスを維持し、長寿命化に繋がります。

水冷式・吸引式・上着用ファンとエアコンの違い

「冷やす」という目的は同じでも、世の中には様々な冷却方式が存在します。ここでは、これまで解説してきた冷却ファン(空冷式)と、水冷式吸引式上着用ファン、そしてエアコンとの違いを比較し、それぞれの特徴を明確にします。

水冷式クーラー

主に高性能なパソコンのCPUやGPUの冷却に用いられる方式です。

  • 仕組み: ポンプで冷却液を循環させ、CPUなどの熱源から熱を奪います。温まった冷却液はラジエーターへと送られ、そこでファンによって冷却されて再び熱源へと戻ります。
  • 空冷との違い: 空気に比べて熱伝導率の高い液体を使うため、非常に高い冷却性能を発揮します。 また、大型のラジエーターを使えばファンを低速で回転させられるため、静音性にも優れています。構造が複雑で高価な点がデメリットです。

吸引式(ノートPCクーラー)

ノートパソコンの排気口に取り付けて、内部の熱を強制的に吸い出すタイプの冷却装置です。

  • 仕組み: ノートPCの排気口に密着させ、内部のファンで熱気を強力に吸引・排出します。
  • 空冷との違い: ノートPC本体の冷却機能を補助する外付けデバイスである点が大きな違いです。ピンポイントで熱を排出するため、特に高負荷な作業時の温度上昇を抑えるのに効果的です。

上着用ファン(空調服®・空調風神服など)

作業着などに取り付けられた小型ファンで、衣服内に外気を取り込み、汗を気化させることで体を冷やす製品です。

  • 仕組み: ファンで服の中に風を送り、体の表面を流れる空気で汗を蒸発させます。その際の気化熱で涼しさを感じさせます。
  • 空冷との違い: 電子機器ではなく、人を直接冷却することを目的としています。屋外や空調のない場所での熱中症対策として広く利用されています。

エアコンとの根本的な違い

エアコンは、これまで挙げたどの冷却方式とも原理が根本的に異なります。

  • 仕組み: 冷媒ガスを圧縮・膨張させることで熱交換を行い、空間そのものの温度を下げます。室内の熱を奪い、室外機から外へ放出することで部屋全体を冷やします。
  • 冷却ファンとの違い: 冷却ファンはあくまで「熱を移動させる」だけで、室温自体を下げることはできません。一方、エアコンは部屋全体の温度を積極的に下げることができる、最も強力な冷却装置です。
方式 冷却対象 冷却原理 主な特徴
冷却ファン(空冷式) 電子機器 風を当てて熱を移動・拡散 構造がシンプルで安価
水冷式 電子機器(特に高性能CPU/GPU) 冷却液で熱を運び、ラジエーターで放熱 極めて高い冷却性能と静音性
吸引式 ノートPC 内部の熱気を強制的に吸引・排出 ノートPCの冷却補助に特化
上着用ファン 人体 汗の気化熱を利用 屋外作業などの熱中症対策
エアコン 空間(部屋) 冷媒による熱交換 空間全体の温度を下げることが可能

まとめ:冷暖ハイタワーファンと違う冷却ファン配置

この記事では、電子機器の安定動作に不可欠な冷却ファンの配置と、その周辺知識について多角的に解説してきました。最後に、家庭用の冷暖ハイタワーファンとの違いにも触れつつ、本記事の要点をまとめます。

  • 冷却ファンは機器内部の熱を排出し安定動作を保つために必須
  • ファンの主要部品はフレーム、羽根、モーター、軸受で構成される
  • 羽根の構造には大風量の軸流ファンと高静圧の遠心ファンがある
  • ファンサイズは40mmや8cmなど多様で大きいほど静音性に優れる
  • DCファンは5vや12vで動作しPC内部で使われる
  • ACファンは100vや200vのコンセント電源で産業用に多い
  • 3ピン端子は回転数検知まで、4ピン端子はPWMによる精密な回転数制御が可能
  • 制御盤用ファンは高耐久で防塵・防滴性能を持つものがある
  • ファンの向きは側面の矢印やラベル位置で確認できエアフローの基本
  • 空気の流れは前から吸気し後ろと上から排気するのがセオリー
  • 吸気量を増やす正圧はホコリに強く、排気量を増やす負圧は冷却性能が高い
  • ファンの騒音対策にはPWM制御の活用や定期的な掃除が有効
  • 水冷式は液体で熱を運び空冷より高い冷却性能と静音性を実現する
  • 吸引式クーラーや上着用ファンは特定の用途に特化した冷却装置
  • エアコンは空間自体の温度を下げる点でファンとは根本原理が異なる
  • 冷暖ハイタワーファンは人を快適にする家電であり、機器の排熱を目的とする冷却ファンとは用途が違う
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