MacBook Air 2020の冷却ファンがうるさい原因と対処法
お使いのMacBook Air 2020から、これまで聞こえなかったファンの音が聞こえてきて不安に感じていませんか。本来、MacBook Airは使い方によっては静かなデバイスですが、動画編集や多くのタブを開くといった高負荷な作業を行うと、冷却ファンが回りっぱなしになり、大きな音を発生させることがあります。この現象は、MacBook内部が高温になることで起こる熱暴走のサインかもしれません。放置しておくとパフォーマンスの低下だけでなく、故障の原因にもなりかねます。この記事では、MacBook Air 2020のファンがうるさくなる原因と対処法を分かりやすく解説し、あなたが再び静かで快適なMacBookライフを取り戻すためのお手伝いをします。
- ファンがうるさくなる具体的な原因の特定方法
- 初心者でもすぐに試せる基本的な対処法
- MacBookのパフォーマンスを維持するための冷却術
- 最終手段としての初期化や修理の判断基準
MacBook Air 2020の冷却ファンがうるさい原因の特定法
- CPUに高負荷をかけるアプリの存在
- 熱暴走によるファンの異常な回転
- アクティビティモニタでの動作確認
- 暴走しているプロセスがないか確認
- macOSやアプリが最新でない状態
CPUに高負荷をかけるアプリの存在
MacBook Airの冷却ファンが大きな音を立てて回り続ける主な原因の一つに、CPUに高い負荷をかけているアプリケーションの存在が挙げられます。CPUはMacの頭脳にあたる部分で、複雑な処理や多くのタスクを同時にこなそうとすると、たくさんのエネルギーを消費し、その結果として高熱を発生させます。この熱を冷ますために、冷却ファンが高速で回転し、大きな音が生じるのです。
具体的には、以下のような作業がCPUに高負荷をかける傾向にあります。
- 4K動画の編集や書き出し
- 高画質なオンラインゲームのプレイ
- 数十個のブラウザタブを同時に開いての作業
- ウインドウを多数開いてのマルチタスク
- ファイルの圧縮や解凍、ウイルススキャン
これらの作業に心当たりがある場合、一度に実行するタスクの数を減らしたり、不要なアプリケーションを終了させたりすることで、CPUの負荷が軽減され、ファンの音が静かになる可能性があります。どのアプリが原因か分からない場合は、後述する「アクティビティモニタ」で確認してみましょう。
ブラウザのタブも要注意
一見すると軽そうなウェブブラウジングですが、広告が多いサイトや動画が自動再生されるサイトなどを多数開いていると、バックグラウンドでCPUを消費し続けることがあります。使っていないタブはこまめに閉じることが、MacBookを快適に使うための小さなコツです。
熱暴走によるファンの異常な回転
「熱暴走」とは、CPUなどの内部パーツから発生する熱を冷却機能が処理しきれなくなり、本体が異常な高温状態に陥ることを指します。 MacBook Airは、この熱暴走から内部の精密な電子部品を守るために、冷却ファンを最大速度で回転させて強制的に排熱しようとします。そのため、「ゴーッ」というような、普段は聞こえないほどの大きなファンの音が発生するのです。
熱暴走が起こると、ファンの音がうるさいだけでなく、以下のような症状が現れることもあります。
- アプリケーションの動作が極端に遅くなる
- マウスカーソルがカクカク動く
- 突然システムがフリーズしたり、再起動したりする
- 本体の底面やキーボード上部が触れないほど熱くなる
このような状態は、MacBook本体へのダメージが蓄積される危険なサインです。熱暴走が頻繁に起こる場合は、CPUに高負荷がかかっているだけでなく、排熱がうまくいっていない可能性があります。例えば、布団の上やクッションの上で作業していると、本体底面の通気口が塞がれてしまい、熱がこもりやすくなりますので注意が必要です。
熱暴走を放置するリスク
熱暴走を放置すると、パフォーマンスが低下するだけでなく、内部のバッテリーやロジックボードといった重要な部品の寿命を縮める原因となります。最悪の場合、突然のシャットダウンや起動不良につながることもあるため、早めの対処が肝心です。
アクティビティモニタでの動作確認
ファンがうるさい原因となっているアプリやプロセスを特定するために、非常に役立つのがMacに標準で搭載されている「アクティビティモニタ」というツールです。 これは、Windowsのタスクマネージャーに相当するもので、現在Mac内部で何が動いていて、どれだけCPUやメモリなどのリソースを消費しているかをリアルタイムで確認できます。
アクティビティモニタの起動方法は簡単です。
- Finderを開きます。
- メニューバーの「移動」から「ユーティリティ」を選択します。
- ユーティリティフォルダの中にある「アクティビティモニタ.app」をダブルクリックして起動します。
起動したら、ウィンドウの上部にある「CPU」タブをクリックしてください。 ここには、現在実行中のすべてのプロセスが一覧で表示され、「%CPU」の列を見ることで、各プロセスがCPUパワーをどれだけ使用しているかを確認できます。この数値が高いものほど、CPUに大きな負荷をかけている、つまりファンの音の原因となっている可能性が高いと言えます。
「Spotlight検索(command + spaceキー)で『アクティビティモニタ』と入力して起動するのが一番早いですよ。いざという時のために、このツールの存在はぜひ覚えておいてくださいね。」
暴走しているプロセスがないか確認
アクティビティモニタのCPUタブを確認していると、時々、特定のアプリやプロセスがCPU使用率90%以上など、異常な数値を記録していることがあります。これは、そのプロセスが「暴走」している、つまり何らかの不具合で正常に動作せず、無限に処理を繰り返しているような状態に陥っている可能性を示唆します。
プロセス名に「(応答なし)」と表示されている場合も、暴走しているサインです。このようなプロセスは、Mac全体の動作を重くし、冷却ファンを高速回転させる直接的な原因となります。
暴走しているプロセスの見つけ方と対処法
アクティビティモニタの「%CPU」列のヘッダー部分をクリックすると、使用率の高い順にプロセスを並べ替えることができます。これにより、原因となっているプロセスを簡単に見つけ出せます。原因を特定したら、そのプロセスを選択し、ウィンドウ左上の「×」ボタンをクリックして「終了」または「強制終了」させることで、CPU負荷を下げてファンの回転を落ち着かせることが可能です。
プロセスを終了する際の注意点
アプリケーション名ではない、システム関連と思われるプロセス(例: kernel_task, mdworkerなど)をむやみに強制終了すると、システムが不安定になる可能性があります。作業中のデータが失われることもあるため、まずは該当するアプリケーションを通常の手順で終了させ、それでも改善しない場合の最終手段としてプロセスの強制終了を試してください。
macOSやアプリが最新でない状態
意外に見落としがちなのが、macOSや各アプリケーションのバージョンが古いままであるケースです。ソフトウェアのアップデートには、新機能の追加だけでなく、パフォーマンスの改善や不具合の修正、セキュリティの強化などが含まれています。
古いバージョンのソフトウェアには、特定の処理においてCPUリソースを無駄に消費してしまうようなバグが含まれていることがあります。これが原因で、普段通りの使い方をしているだけなのにファンがうるさくなる、という事態を引き起こす可能性があるのです。
Appleやアプリ開発者は、こうした問題を解決するために定期的にアップデートをリリースしています。システムやアプリを常に最新の状態に保つことは、MacBook Airを安全かつ快適に利用するための基本的なメンテナンスと言えるでしょう。 App Storeの「アップデート」タブや、システム設定の「ソフトウェアアップデート」を定期的に確認する習慣をつけることをお勧めします。
うるさいMacBook Air 2020冷却ファンの対処法
- まず試すべき基本的な対処法とは
- 冷却効率を上げるための環境改善
- 何を試してもファンが静かにならない時
- データをバックアップして初期化する
- ハードウェア故障を疑い修理に出す
まず試すべき基本的な対処法とは
ファンがうるさいと感じた時に、専門的な知識がなくてもすぐに試せる基本的な対処法がいくつか存在します。まずは落ち着いて、以下の方法を実行してみてください。多くの場合、これだけで問題が解決することがあります。
1. Macを再起動する
最も簡単で効果的な方法の一つが、MacBook Airの再起動です。長時間使い続けることで、目に見えないところで不要なプロセスが溜まり、システムに負荷をかけていることがあります。再起動することで、システムの状態が一度リフレッシュされ、暴走していたプロセスも終了するため、ファンの回転が正常に戻ることが期待できます。
2. SMC(システム管理コントローラ)をリセットする
SMCは、ファン、バッテリー、電源、温度管理など、Macの物理的なパーツを制御している重要な部分です。 このSMCの動作に一時的な不具合が生じると、実際には本体が高温でなくてもファンが高速で回転し続ける、といった症状が発生することがあります。SMCリセットは、この制御情報を初期状態に戻す操作です。
MacBook Air 2020 (Intel搭載モデル) のSMCリセット手順
- MacBook Airの電源を完全に切ります(システム終了)。
- 電源が切れた状態で、キーボードの左側にある「control」キー + 「option」キー と、右側にある「shift」キーの3つを同時に7秒間長押しします。
- 3つのキーを押したまま、さらに「電源ボタン」も加えて、4つのキーを同時に7秒間長押しします。
- 7秒経ったら、すべてのキーから指を離します。
- 数秒待ってから、通常通り電源ボタンを押してMacを起動します。
この操作でSMCがリセットされ、ファンの制御が正常化する可能性があります。
ちなみに、同じ2020年モデルでもApple M1チップを搭載したMacBook Airには冷却ファン自体が搭載されていません。ファンがうるさいという問題は、Intelプロセッサを搭載したモデル特有のものです。
冷却効率を上げるための環境改善
ソフトウェア的な対処法で改善しない場合、物理的な使用環境が原因で冷却が追いついていない可能性があります。MacBook Airの放熱を助け、冷却効率を高めるための環境改善策をいくつかご紹介します。
1. 硬く平らな場所で使用する
MacBook Airは、本体のアルミニウムボディ全体を使って熱を逃がす設計になっています。特に、底面にあるわずかな隙間が重要な通気口の役割を果たしています。 そのため、布団やソファ、クッションの上で使用すると、この通気口が塞がれてしまい、熱が内部にこもってしまいます。 これが熱暴走とファンの高速回転を引き起こす大きな原因となるのです。作業する際は、必ず机やテーブルのような硬く平らな場所を選びましょう。
2. 設置場所に空間を作る
机の上で使用する場合でも、壁際にぴったりつけたり、書類に囲まれた場所で作業したりすると、空気の流れが悪くなり排熱効率が下がります。MacBookの周囲にはできるだけ物を置かず、通気性の良い環境を確保することが大切です。
3. 冷却グッズを活用する
より積極的に冷却を行いたい場合は、市販の冷却グッズを利用するのも非常に効果的です。
- ノートPCスタンド: 本体を傾けて設置することで、底面に空気の通り道を作り、放熱を促進します。 タイピングしやすくなるというメリットもあります。
- 冷却ファン付きスタンド: スタンドにファンが内蔵されており、MacBookの底面に直接風を送って強制的に冷却します。 動画編集など、高負荷な作業を長時間行う方におすすめです。
- 卓上扇風機やサーキュレーター: MacBook本体に直接風を当てるだけでも、冷却効果が期待できます。 部屋の空気を循環させることで、室温の上昇も防げます。
「私はアルミ製のシンプルなノートPCスタンドを使っています。これだけでも底面の温度がかなり下がるのを実感できますよ。見た目もスタイリッシュですし、一つ持っておくと便利です。」
何を試してもファンが静かにならない時
基本的な対処法や環境改善を試しても、依然としてMacBook Airのファンがうるさいままの場合、より根本的なソフトウェアの問題や、あるいはハードウェアの不具合が隠れている可能性があります。原因の切り分けと解決のために、もう少し踏み込んだ手順を試してみましょう。
セーフモードで起動してみる
セーフモードは、Macを必要最小限のシステムソフトウェアとフォントだけで起動する診断モードです。 これにより、後から追加したアプリケーションやログイン項目、機能拡張などが一時的に無効化されます。セーフモードで起動してファンの音が静かになった場合、原因はサードパーティ製のソフトウェアにある可能性が高いと判断できます。最近インストールしたアプリや、常駐させているユーティリティソフトなどを一つずつ確認し、原因となっているものを特定してアンインストールする、といった対処が必要になります。
Apple Diagnosticsを実行する
Apple Diagnosticsは、Macに内蔵されている自己診断ツールで、メモリやロジックボード、そして冷却ファンといったハードウェアに問題がないかをチェックできます。
Apple Diagnosticsの実行手順
- MacBook Airをシステム終了し、電源アダプタに接続します。
- 電源ボタンを押してMacを起動し、すぐにキーボードの「D」キーを押し続けます。
- 言語を選択する画面が表示されたら、「D」キーから指を離します。
- 診断が自動的に開始されます。
診断結果でファンに関するエラーコードが表示された場合は、物理的な故障の可能性が高いため、修理を検討する必要があります。
データをバックアップして初期化する
長年使用しているうちにシステムファイルが破損したり、様々な設定やソフトウェアが複雑に絡み合って不具合の原因となったりすることがあります。何を試しても解決しないソフトウェアの問題に対する最終手段が、macOSのクリーンインストール(初期化)です。
この作業を行うと、MacBook Airが工場出荷時の状態に戻り、内部のデータはすべて消去されます。そのため、実行する前には必ずTime Machineなどを使って、重要なデータのバックアップを取ることが絶対に必要です。バックアップさえあれば、初期化後に必要なデータや設定を復元できます。
初期化によってシステムがクリーンな状態になることで、原因不明のプロセスの暴走などがなくなり、ファンの問題が根本的に解決する可能性があります。ただし、非常に時間と手間がかかる作業であるため、他のすべての対処法を試してから最後の選択肢として検討してください。
初期化前の重要確認事項
初期化を行うと、購入後にインストールした全てのアプリケーションも消去されます。Microsoft OfficeやAdobe製品など、ライセンス認証が必要なソフトウェアは、再インストールの手順やシリアル番号などを事前に必ず確認しておきましょう。
ハードウェア故障を疑い修理に出す
これまで紹介してきた全てのソフトウェア的な対処法を試してもファンの異常な回転が収まらない場合、あるいはApple Diagnosticsでエラーが検出された場合は、冷却ファン自体や、温度を検知するセンサーといったハードウェアが物理的に故障している可能性が考えられます。
ハードウェアの故障には、以下のような原因が考えられます。
- ファンのモーターの劣化: 長期間の使用により、ファンを回転させるモーターが劣化・故障し、異音を発したり正常に回転しなくなったりします。
- ホコリの詰まり: 内部にホコリが溜まることで、ファンの回転が妨げられたり、排熱効率が著しく低下したりします。
- センサーの故障: 本体の温度を正確に検知できなくなり、実際には高温でなくてもファンが常に最大で回り続けることがあります。
これらの問題は、ユーザー自身で解決することは困難であり、無理に分解しようとすると状態をさらに悪化させる危険があります。このような場合は、速やかにApple StoreのGenius BarやApple正規サービスプロバイダに相談し、専門家による診断と修理を依頼することをお勧めします。
MacBook Air 2020の冷却ファンがうるさい問題のまとめ
- ファンがうるさい主な原因はCPUの高負荷
- 動画編集や多数のタブ展開が高負荷作業の代表例
- 内部が高温になる熱暴走も原因の一つ
- 熱暴走はパフォーマンス低下や故障のリスクを高める
- 原因特定にはアクティビティモニタが有効
- CPUタブでリソースを消費しているプロセスを確認
- 暴走しているプロセスは強制終了で対処可能
- 最初の対処法として再起動やSMCリセットを試す
- 布団の上など通気口を塞ぐ場所での使用は避ける
- ノートPCスタンドなどの冷却グッズ活用も効果的
- ソフトウェアが原因か切り分けるためにセーフモードを試す
- ハードウェア故障の診断にはApple Diagnosticsが便利
- あらゆる手を尽くしても解決しない場合は初期化を検討
- 初期化の前には必ずデータのバックアップを取る
- 物理的な故障が疑われる場合は専門家による修理が必要
– OSやアプリが古いと不具合の原因になることがある