快適なゲームプレイ中に突然PCの動作が重くなったり、本体が異常に熱くなったりして困っていませんか?高性能なゲーミングPCのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、適切な冷却が不可欠です。しかし、ある日突然、冷却の要であるファンが回らないというトラブルに見舞われることがあります。この問題は、パフォーマンスの低下だけでなく、最悪の場合、高価なパーツの故障にも繋がりかねません。原因が分からず、どう対処すれば良いのか途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。この記事では、ゲーミングPCの冷却ファンが回らない時に考えられる原因から、ご自身で簡単に試せる対処法、そして最終手段としての外付け冷却ファンの活用術まで、幅広く解説していきます。
- ファンが回らない原因と自分でできる対処法がわかる
- PC内部の清掃やファン交換の具体的な手順を学べる
- ノートPC特有の熱問題とその対策が理解できる
- 失敗しない外付け冷却ファンの選び方とおすすめ製品が見つかる
ゲーミングPCでファンが回らない?外付け冷却ファンの前に
- ファンが回らない時に考えられる原因
- まずは自分でできる簡単な対処法
- 意外な盲点となるBIOS設定の確認
- PC内部のホコリを掃除する方法
- ァンの故障が疑われるケース
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ファンが回らない時に考えられる原因
ゲーミングPCのファンが突然回らなくなると、多くの方が故障を疑うかもしれませんが、原因は一つとは限りません。最も単純な原因として、ファンへの電源ケーブルが抜けている、あるいは接触不良を起こしているケースが考えられます。 自作PCやパーツの増設を行った際に、ケーブルがしっかり接続されていなかったり、何かの拍子で緩んでしまったりすることがあります。デスクトップPCの内部は複数のケーブルが複雑に入り組んでいるため、このような事態は意外と起こりやすいのです。
次に、ソフトウェア的な問題も考えられます。具体的には、PCの基幹システムであるBIOS(バイオス)やUEFI(ユーイーエフアイ)の設定で、ファンが回転しない設定になっている可能性です。 特定の温度に達するまでファンを停止させる「セミファンレス機能」が有効になっている場合、低温時にはファンは回転しません。 これは故障ではなく正常な動作ですが、設定を意図せず変更してしまった場合、ファンが回らないと勘違いしてしまうことがあります。
そして、物理的な原因として最も多いのが、PC内部に蓄積したホコリです。 PCは冷却のために外部の空気を取り込む構造上、どうしても内部にホコリが溜まりやすくなっています。 このホコリがファンの羽に絡みついたり、軸受けに詰まったりすると、物理的に回転を妨げてしまうのです。 放置すると冷却性能が著しく低下し、熱暴走の原因となります。
見落としがちな電源ユニットの問題
PC全体に電力を供給する電源ユニットの出力が不安定だったり、劣化していたりすると、ファンに十分な電力が供給されずに回転しないことがあります。 特に多くのパーツを増設している場合、電力不足に陥る可能性も否定できません。
これらの原因を一つずつ切り分けていくことで、問題の特定に繋がります。慌てて修理に出す前に、まずは自分で確認できることから始めてみましょう。
まずは自分でできる簡単な対処法
ファンが回らない原因に心当たりがない場合でも、専門家に見せる前にご自身で試せる簡単な対処法がいくつか存在します。まず、最も手軽で基本的な対処法はPCの再起動です。一時的なソフトウェアの不具合やシステムの誤作動が原因である場合、再起動するだけで問題が解決することがあります。これは、PCに限らず多くの電子機器に共通する初期対応と言えるでしょう。
次に試していただきたいのが、PCの電源ケーブル類を一度すべて抜き、数分間放置してから再度接続する方法です。これは「放電」と呼ばれる作業で、PC内部に溜まった不要な電気をリセットする効果が期待できます。特に長期間連続で稼働させている場合に有効な手段です。電源ケーブルを抜く際は、必ずPCの電源が完全にオフになっていることを確認してください。
ケーブル接続の再確認手順
- PCの電源をシャットダウンします。
- 電源ユニットの主電源スイッチをオフにし、コンセントから電源ケーブルを抜きます。
- PCケースの側面パネルを開け、ファンからマザーボードに繋がっているケーブルを探します。
- ケーブルを一度抜き、ホコリなどがないか確認してから、しっかりと奥まで差し込み直します。
- 側面パネルを閉じ、電源ケーブルを接続してPCを起動し、ファンが回転するか確認します。
これらの対処法は、特別な工具や専門知識がなくても安全に行えるものです。それでもファンが回転しない場合は、もう少し踏み込んだ原因を探る必要があります。しかし、多くの単純なトラブルはこれらの方法で解決することが少なくありませんので、ぜひ試してみてください。
意外な盲点となるBIOS設定の確認
物理的な接続やホコリの問題ではない場合、次に疑うべきはBIOS(バイオス)またはUEFI(ユーイーエフアイ)の設定です。BIOSはPCの最も基本的なハードウェア制御を行っており、ファンの回転数もここで管理されています。 普段あまり触れることのない部分ですが、ここが原因でファンが回らないケースも珍しくありません。
多くのマザーボードでは、CPUの温度に応じてファンの回転数を自動で調整する「スマートファンコントロール」のような機能が搭載されています。 この設定が有効になっていると、CPU温度が低いアイドル時などにはファンが完全に停止することがあります。これは「セミファンレス」や「ゼロRPMモード」とも呼ばれ、静音性を高めるための正常な機能です。 もし、PC起動時や軽い作業中にファンが回っていなくても、高負荷なゲームを始めると回転しだすのであれば、この機能が作動している可能性が高いでしょう。
BIOSの設定画面は、PCの電源を入れた直後に特定のキー(多くは「Delete」キーや「F2」キー)を連打することで入ることができます。 メーカーによって操作方法は異なりますが、「H/W Monitor」や「Fan Setting」といった項目からファンの設定を確認・変更することが可能です。
設定画面では、各ファンがどのようなモード(例:サイレント、通常、フルスピードなど)で動作するかが設定できます。 もし意図せずファンが常に停止するような設定になっていた場合は、これを「通常」や「オート」に戻すことで解決します。また、PWM制御とDC制御の切り替え設定がある場合、接続しているファンのタイプと設定が合っていないと正常に動作しないため、確認が必要です。
BIOS設定変更の注意点
BIOSはPCの根幹に関わる重要な設定です。よく分からない項目をむやみに変更すると、PCが起動しなくなるなどの深刻なトラブルに繋がる可能性があります。設定を変更する際は、マザーボードの取扱説明書を確認するか、変更前の設定をメモしておくなど、慎重に作業を行ってください。
BIOSの設定が原因であった場合、適切な設定に戻すだけでファンは正常に回転し始めます。物理的な故障を疑う前に、一度この「ソフトウェアの心臓部」を確認してみる価値は十分にあります。
PC内部のホコリを掃除する方法
長年使用しているゲーミングPCのファンが回らない原因として、最も可能性が高いものの一つが内部に蓄積したホコリです。 PCは冷却のために常に空気を循環させているため、室内のホコリを吸い込みやすく、特にファンの周辺やヒートシンク(放熱板)にはホコリが溜まりがちです。これがファンの回転を物理的に妨げたり、冷却効率を著しく低下させたりするのです。
内部の清掃を行う前には、必ずPCの電源を完全に落とし、電源ケーブルをコンセントから抜いてください。 また、静電気はPCパーツにとって大敵なので、作業前には金属製のドアノブに触れるなどして、身体に溜まった静電気を放電しておくとより安全です。
清掃に必要な道具
- エアダスター:圧縮された空気でホコリを吹き飛ばします。火気厳禁です。
- ブラシ(柔らかいもの):こびりついたホコリを掻き出すのに便利です。静電気防止タイプがおすすめです。
- ピンセット:大きなホコリの塊や、狭い場所に詰まったゴミを取り除くのに役立ちます。
- 掃除機:吹き飛ばしたホコリを吸い取るために使いますが、ノズルを直接PCパーツに近づけすぎないよう注意が必要です。
基本的な清掃手順
- PCの側面パネルを外し、作業しやすいように横に倒します。
- まず、エアダスターを使って、ファンやヒートシンク、マザーボード上に積もった大きなホコリをPCの外へ向かって吹き飛ばします。
- ファンやヒートシンクのフィンにこびりついた頑固なホコリは、柔らかいブラシで優しく掻き出します。この際、ファンを手で押さえて回転しないようにすると、軸を傷めるのを防げます。
- 掻き出したホコリや大きな塊は、ピンセットで取り除くか、掃除機で吸い取ります。
- 最後に、ケースの底に溜まったホコリも綺麗に取り除き、パネルを元に戻して完了です。
定期的な内部清掃は、ファンのトラブルを防ぐだけでなく、PC全体の冷却性能を維持し、パーツの寿命を延ばすことにも繋がります。半年に一度、あるいは一年に一度でも清掃を行うことを強くおすすめします。
ファンの故障が疑われるケース
これまで紹介した対処法をすべて試してもファンが回らない場合、残念ながらファン自体の物理的な故障が考えられます。ファンの故障には、いくつかの兆候や判断基準があります。
まず、ファンから異音が発生している場合です。「カラカラ」「ジー」といった、通常では聞こえない音がする場合、内部のベアリング(軸受け)が摩耗・破損している可能性が高いです。最初は回りづらくなる程度でも、放置すると最終的には完全に動かなくなってしまいます。
次に、手で軽く羽を押しても全く回転しない、あるいは非常に抵抗が強く固まっている場合も故障のサインです。正常なファンであれば、軽い力でスムーズに回転します。ホコリなどが詰まっているわけでもないのに固い場合は、モーター部分の故障が考えられます。
ファンが複数搭載されているPCであれば、故障診断は比較的簡単です。動いている他のファンからケーブルを抜き、それを問題のファンに接続してみてください。それでも動かなければ、ファン本体の故障であると断定できます。もし動いた場合は、マザーボード側のファンコネクタに問題がある可能性が考えられます。
また、目視で確認できる破損も重要な判断材料となります。ファンの羽が欠けていたり、フレームにひびが入っていたりする場合、バランスが崩れて正常に回転できなくなります。これはPCケースを倒してしまった際などに起こり得ます。
故障と判断したら
ファン自体の故障が濃厚になった場合、そのファンを修理して使うことは現実的ではありません。この場合、新しいファンに交換するのが最も確実で安全な解決策となります。PCケースファンやCPUファンは、数千円程度から購入できるものが多く、PC全体の修理を依頼するよりも安価に済む場合がほとんどです。
ファンの故障はPCの熱暴走に直結する深刻な問題です。故障が疑われる場合は、PCの使用を控え、速やかに交換の準備を進めることをおすすめします。
外付け冷却ファン活用術とファンが回らない時の最終手段
- PCファンの交換手順と注意点
- ノートPC特有の熱問題と対策
- 失敗しない外付けファンの選び方
- 冷却性能で選ぶおすすめの製品
- 静音性に優れたおすすめの製品
- ゲーミングPC冷却ファンが回らない時は外付けも検討
PCファンの交換手順と注意点
PC内部のファンが故障した場合、新しいものに交換する必要があります。特にデスクトップPCのケースファン交換は、手順さえ覚えればそれほど難しい作業ではありません。ただし、いくつかの重要な注意点がありますので、作業前に必ず確認してください。
交換作業を始める前に、必ずPCの電源を落とし、電源ケーブルを抜いてください。 また、静電気によるパーツの破損を防ぐため、作業前には金属部分に触れて体内の静電気を逃がしましょう。 静電気防止手袋を使用するとさらに安全です。
ファン交換の基本的な手順
- 古いファンの取り外し:PCケースの側面パネルを開け、交換したいファンを確認します。ファンは通常4隅のネジでケースに固定されています。ドライバーを使ってこれらのネジを外し、ファン本体を取り出します。その後、ファンから伸びている電源ケーブルをマザーボードのコネクタから抜きます。
- 新しいファンの取り付け:新しいファンを取り付けます。この時、空気の流れの向きに注意することが非常に重要です。ファンの側面には通常、風が流れる向きを示す矢印が刻印されています。 PCケース内の空気の流れ(エアフロー)を乱さないように、元々付いていたファンと同じ向きに取り付けます。一般的には、PC前面から吸気し、背面や天面から排気する構成が多いです。
- ケーブルの接続:新しいファンの電源ケーブルを、マザーボードの空いているファンコネクタ(「SYS_FAN」や「CHA_FAN」と表記されていることが多い)に接続します。コネクタには向きがあるので、形状をよく確認して差し込みます。
- 動作確認:ケーブルが他のパーツに干渉していないかを確認したら、側面パネルを閉じる前に一度PCを起動し、ファンが正常に回転するかを確認します。問題なければ、PCをシャットダウンしてからパネルを元に戻して作業完了です。
ファン交換時の重要注意点
- サイズの確認:ファンには80mm、120mm、140mmなど様々なサイズがあります。 必ず元々付いていたファンと同じサイズのものを購入してください。
- コネクタの確認:ファンの電源コネクタには主に3ピンと4ピン(PWM対応)があります。 マザーボードのコネクタに対応したものを選びましょう。4ピン対応のファンは、より細やかな回転数制御が可能です。
- ネジの締めすぎ:ファンを固定するネジを強く締めすぎると、ファンのフレームが歪んで異音の原因になることがあります。適度な力で締め付けてください。
- CPUファンの交換:CPUファンを交換する場合は、CPUグリスの塗り直しも必要になります。また、取り付け方法が製品によって大きく異なるため、より慎重な作業が求められます。
正しい手順と注意点を守れば、ファンの交換は安全に行うことができます。これを機に、より高性能なファンにアップグレードしてみるのも良いでしょう。
ノートPC特有の熱問題と対策
デスクトップPCと比較して、ノートPC、特に薄型のゲーミングノートPCは、構造上、熱がこもりやすいという宿命を抱えています。 限られたスペースに高性能なCPUやGPUを詰め込んでいるため、内部の冷却ファンだけでは排熱が追いつかなくなりがちです。これにより、パフォーマンスが低下する「サーマルスロットリング」という現象が起きやすくなります。
ノートPCの熱問題は、底面の吸気口や側面の排気口が塞がれることで悪化します。例えば、ベッドやソファの上でノートPCを使用すると、布地が吸排気口を塞いでしまい、熱が内部にこもってしまいます。ノートPCを使用する際は、硬くて平らな机の上など、空気の通り道が確保できる場所で使うことが基本です。
このようなノートPC特有の熱問題に対して、非常に有効なのが外付けの「ノートPCクーラー(冷却台)」の利用です。 これは、複数のファンが内蔵されたスタンド型の製品で、ノートPCの底面から直接風を送ることで、強制的に冷却を補助するアイテムです。
ノートPCクーラーのメリット
- 冷却性能の向上:内蔵ファンだけでは補いきれない冷却を補助し、PC内部の温度上昇を効果的に抑制します。
- パフォーマンスの維持:熱による性能低下(サーマルスロットリング)を防ぎ、長時間のゲームプレイでも安定したパフォーマンスを維持しやすくなります。
- 姿勢の改善:多くの製品に角度調整機能が付いており、画面を目線の高さに合わせることで、長時間の使用でも疲れにくい、より良い姿勢を保つことができます。
ノートPCクーラーは、まさにゲーミングノートPCユーザーのための必須アイテムと言っても過言ではありません。特に夏場や、高いグラフィック設定でゲームをプレイする際には、その効果を大きく実感できるはずです。
内蔵ファンが正常に作動していても、さらなる冷却性能を求める場合や、熱によるパフォーマンス低下に悩んでいる場合は、ノートPCクーラーの導入を積極的に検討する価値があります。
失敗しない外付けファンの選び方
ノートPCの冷却に効果的な外付けファン(ノートPCクーラー)ですが、多種多様な製品が販売されており、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。ここでは、自分の使い方に合った製品を選ぶためのポイントをいくつか紹介します。
1. PCのサイズに合わせる
最も基本的なポイントは、使用しているノートPCのサイズに対応した製品を選ぶことです。 15.6インチや17.3インチなど、製品ごとに対応サイズが明記されています。PCよりも小さすぎるクーラーでは冷却効果が十分に得られず、大きすぎると持ち運びの際に不便です。自分のPCのインチ数を確認し、適合するサイズの製品を選びましょう。
2. ファンの数と配置
冷却性能はファンの数や大きさに大きく影響されます。 大型のファンが1つ搭載されているモデルは、広範囲を静かに冷却するのに適しています。一方、小型のファンが複数(4つや6つなど)配置されているモデルは、特定の箇所を集中的に冷却する能力に優れています。自分のPCの発熱しやすい場所(CPUやGPUのある位置)に合わせてファンの配置を考慮すると、より効果的です。
3. 素材と構造
天板の素材も冷却効率に関わる重要な要素です。熱伝導率の高いアルミなどの金属素材を使用しているモデルは、PC本体の熱を吸収し、効率良く放熱してくれます。 また、PCとの接地面がメッシュ構造になっているものは、風の通りが良く、高い冷却効果が期待できます。
4. 静音性
冷却性能が高くても、ファンの動作音が大きいとゲームへの没入感を妨げてしまいます。特にボイスチャットを使用する際や、静かな環境で作業する場合には、静音性も重視したいポイントです。製品の仕様に記載されている騒音レベル「dB(デシベル)」の数値が小さいものほど静かです。一般的に30dB以下であれば、比較的静かだとされています。
付加機能もチェックしよう
多くのノートPCクーラーには、便利な付加機能が搭載されています。例えば、タイピングしやすい角度に調整できる「角度調整機能」や、クーラーのUSBポートでPCのポートを塞いでしまっても他の機器を接続できる「USBハブ機能」、状況に応じて風量を調整できる「風量調節機能」などがあります。 これらの機能が自分の使い方に必要かどうかも、選ぶ際の判断材料になります。
これらのポイントを総合的に考慮することで、自分のゲーミング環境に最適な一台を見つけることができるでしょう。
冷却性能で選ぶおすすめの製品
とにかくPCを強力に冷やしたい、最高のパフォーマンスを維持したいという方のために、冷却性能を重視したノートPCクーラーは数多く存在します。ここでは、冷却性能で選ぶ際に注目すべき特徴と、それを備えた製品のタイプについて解説します。
冷却性能を最優先する場合、ファンの数が多いモデルや、大型で高回転のファンを搭載したモデルが選択肢となります。 ファンの風量を示す単位である「CFM(Cubic Feet per Minute)」の値が大きい製品ほど、より多くの空気を送り込むことができ、高い冷却能力を発揮します。製品仕様にCFM値が記載されている場合は、比較検討の際の重要な指標になります。
また、前述の通り、天板に熱伝導率の高いアルミ素材を採用している製品は、冷却効果をさらに高めてくれます。 ファンによる送風とアルミ素材による放熱の相乗効果で、PCの熱を効率的に奪うことが可能です。
冷却性能重視モデルの特徴
- ファンの数が多い(5基以上など)
- 大口径・高回転のファンを搭載している
- 風量(CFM)の数値が高い
- 天板がアルミ製のメッシュ構造である
- PC本体とクーラーの間に隙間を作り、空気の流れを良くする設計になっている
最近では、ファンによる冷却に加え、「ペルチェ素子」という半導体を利用して直接的にPCを冷却する製品も登場しています。 ペルチェ素子は、電気を流すと片面が冷却され、もう片面が発熱する特性を持っており、冷却される面をPCの底面に当てることで、まるで冷蔵庫のように強力に冷やすことができます。従来のファン式よりも高い冷却効果が期待できますが、価格が高くなる傾向にあります。
冷却方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ファン式(多ファン・大型ファン) | ・比較的安価 ・製品の種類が豊富 ・広範囲を冷却できる |
・製品によっては動作音が大きい ・冷却性能に限界がある |
ペルチェ素子式 | ・非常に高い冷却性能 ・局所をピンポイントで強力に冷やせる |
・価格が高い ・消費電力が大きい ・結露のリスクがゼロではない |
最高のゲーム環境を求めるのであれば、こうした冷却性能に特化したモデルを選ぶことで、熱によるストレスから解放され、より快適にプレイに集中することができるでしょう。
静音性に優れたおすすめの製品
ゲームプレイへの没入感を大切にする方や、夜間など静かな環境でPCを使用することが多い方にとって、冷却ファンの動作音は気になる問題です。冷却性能は確保しつつも、できるだけ静かに動作する製品を選びたいというニーズも高まっています。
静音性を重視する場合、製品仕様に記載されている動作音のレベル「dB(デシベル)」をチェックすることが最も重要です。 目安として、20dB台であれば「ささやき声」程度の静かさ、30dBを超えると「深夜の郊外」程度の静けさと表現されます。 一般的に、30dB以下の製品であれば、ほとんどの環境で動作音を気にすることなく使用できるでしょう。
静音性を実現する技術としては、大型のファンを低速で回転させる方式が一般的です。 ファンは、サイズが大きく、回転数が低いほど、同じ風量を確保した場合でも静かになる傾向があります。そのため、小型ファンを高速で複数回すモデルよりも、20cmクラスの大型ファンを1基搭載したモデルの方が、静音性に優れている場合が多いです。
私も以前、ファンの騒音に悩まされた経験があります。特にヘッドセットをしないゲームや、動画編集などの作業中は、ファンの「ブーン」という音が気になって集中できませんでした。静音モデルに変えてからは、PCが動いていることを忘れるくらい快適になりましたよ。
また、流体力学に基づいて設計された特殊な形状のファンブレード(羽根)を採用したり、高品質なモーターやベアリングを使用したりすることで、ノイズを低減している製品もあります。
風量調節機能の活用
「風量調節機能」が付いているモデルも、静音性を重視する方におすすめです。 PCの負荷が低い作業中は風量を最小に設定することで、騒音を抑えつつ冷却を補助できます。そして、高負荷なゲームをプレイする時だけ風量を最大にする、といった使い分けが可能です。これにより、冷却性能と静音性の両立がしやすくなります。
冷却性能と静音性はトレードオフの関係にあることが多いですが、製品の選び方や機能の活用次第で、両方のバランスを取ることは十分に可能です。自分の使用環境に合わせて、最適な静音モデルを選んでみてください。
ゲーミングPC冷却ファンが回らない時は外付けも検討
- ゲーミングPCのファンが回らない原因はケーブル抜け、ホコリ、BIOS設定、故障など多岐にわたる
- まずは再起動やケーブルの再接続といった簡単な対処法から試す
- BIOS設定でファンが停止するモードになっていないか確認する
- ファンやヒートシンクに溜まったホコリは冷却性能低下の主な原因なので定期的な清掃が不可欠
- エアダスターやブラシを使って内部を清掃する際は静電気に注意する
- 異音がする、手で回しても固い場合はファンの物理的な故障が疑われる
- 故障したファンは修理ではなく新しいものに交換するのが基本
- ファン交換時はサイズやコネクタの種類、風の向き(エアフロー)を間違えないようにする
- ノートPCは構造的に熱がこもりやすく、外付けのノートPCクーラーが非常に有効
- ノートPCクーラーは冷却性能の向上だけでなく、タイピング姿勢の改善にも役立つ
- 外付けファンを選ぶ際はPCのサイズ、ファンの数や素材、静音性、付加機能を考慮する
- 冷却性能を重視するならファンの数が多いモデルやアルミ天板、ペルチェ素子採用モデルがおすすめ
- 静音性を重視するなら動作音(dB)が低く、大型ファンを低速回転させるモデルを選ぶ
- 風量調節機能があれば、状況に応じて冷却性能と静音性のバランスを取ることが可能
- ファンが回らない問題を放置すると、パフォーマンス低下やパーツの故障に繋がるため早めの対処が重要